コンディショナーは、リンスやトリートメントと混同されやすいため、適切に使用するためにもそれぞれの違いについて理解しておく必要があります。特に、コンディショナーとの境界が難しいのがリンスでしょう。リンスとはもともと英語の「rinse」という言葉からきており、「すすぐ」「洗う」といった意味があります。リンスが発売された当時、主流だったのが石鹸シャンプーでした。石鹸シャンプーは天然素材を使用して安全性が高く、しかも洗浄力が高いのが特徴ですが、シャンプー後の髪のきしみやごわつきが気になるのが難点だったのです。そこで、髪の表面に油分を与えてコーティングすることで指通りを滑らかにし、すすぎやすくするために開発されたのがリンスでした。コンディショナーも油分で髪をコーティングするという点では同じなのですが、大きな違いは保湿効果にあります。リンスは指通りを良くするのが主な目的であり、コンディショナーと比べると、髪の潤いをキープする働き弱いのです。
リンスやコンディショナーが髪の表面を保護するのに対し、トリートメントは毛髪の内部に浸透し、栄養分を届けて、髪のダメージを修復してくれる働きがあります。そのため、使い方にも違いがあります。リンスやコンディショナーは塗布してからあまり時間を置かずに洗い流しても構いませんが、トリートメントはある程度の時間をかけて、成分を浸透させる必要があるのです。リンス、トリートメント、コンディショナーすべて、頭皮に付けると頭皮の毛穴を詰まらせてしまう原因になるため、頭皮につけないように注意する必要があります。
コンディショナーを付けてすすいだ後は、ドライヤーで濡れた髪の毛を乾かしていきます。髪が濡れていると髪がダメージを受けやすくなるだけでなく、雑菌も繁殖しやすくなるなど、髪と頭皮トラブルのもとになりますので、できるだけ素早く乾かすようにしましょう。ドライヤーの熱によるダメージが心配ですが、いくつかの点に注意することでダメージを抑えながら、美髪効果をアップできます。まず、ドライヤーをあてる時間を少なくするために、事前のタオルドライをしっかり行うことです。乾いたタオルを用意し、髪の毛を優しく押さえるようにして水分を取っていきますが、このときに絶対に髪の毛をこすり合わせてはいけません。濡れた髪の毛はキューティクルがはがれやすくなっていますので、摩擦によるダメージを強く受けてしまうからです。十分にタオルドライできたら、洗い流さないトリートメントや植物性オイルを塗布すると、ドライヤーの熱から髪を保護するのに働いてくれます。
ドライヤーを使うときは、髪の毛から約30cm距離を置くこと、1カ所当たりに風をあてる時間は、3〜4秒にとどめることが、傷みを軽減するコツです。また、最初は温風で乾かして、8割ほど乾いてきたら、冷風に切り替えましょう。温風よりも髪への負担が少なく、しかもキューティクルを閉じてくれますので、髪の毛にツヤが生まれるなど、メリットが多々あるからです。