肌の乾燥に悩む人は少なくありません。肌が乾燥することで、赤みやかゆみ、たるみなどの肌トラブルを引き起こすだけでなく、肌老化の原因にもなってしまいます。
それは、肌のバリア機能低下とターンオーバーの乱れを引き起こすからです。人間の肌にはバリア機能と呼ばれる、肌を外部刺激から保護してくれる機能があります。そして、バリア機能を維持できているのは、肌表面にある角質層が天然の保湿因子や細胞間脂質といった潤い成分で満たされているからです。
ところが、肌の乾燥によって角質層の潤いが減少してしまうと、バリア機能が低下してしまいます。それが原因で、肌が紫外線などの外部刺激の影響を受けやすくなり、さらに肌の乾燥が進むという悪循環に陥るのです。一般的に人間の肌は、20歳をピークに皮脂分泌量が低下し、乾燥が起こりやすくなります。そのため、適切な乾燥肌対策をとらないと、肌が乾燥してしまうのです。
肌は一定の周期(約28日)で、古い角質から新しい角質に生まれ変わるターンオーバーを繰り返しています。しかし、皮膚が乾燥してしまうと、肌の細胞分裂が活発に行われなくなり、ターンオーバーの周期が大きく乱れるようになるのです。
その影響で、皮膚が薄くなり、ハリも失われるだけでなく、古い角質が厚く、硬くなり、肌の弾力もなくなってきます。そして、それが小ジワへと変化していくのです。また、ターンオーバーはバリア機能の維持にも一役買ってくれています。新しい角質が生まれ変わるときに、肌の潤い成分も生成され、バリア機能維持をサポートしてくれているのです。ターンオーバーの周期が乱れることで、バリア機能もますます低下してしまうようになります。
さらに、シワやたるみも乾燥が原因で発生しやすくなるのです。肌の奥にある真皮部分には、線維芽細胞があり、そこでコラーゲンやエラスチンといった美肌成分が作られています。ところが、線維芽細胞の働きが乾燥によって衰えるようになると、美肌成分が不足し肌の弾力やハリも減少し、シワとたるみができやすくなります。肌の乾燥によってこれだけの悪影響が出てきますので、乾燥対策はとても重要なのです。