1つ目のメリットは、オーガニックコスメを使うことは環境保全につながるということです。オーガニック認証を受けた製品は土壌から実際に製品ができるまでの製品の製造工程について、環境や生物への負荷を最少に抑えることを考えてつくられています。オーガニックという言葉は広く知られるようになっていますが、なぜこうした考え方が生まれたのでしょうか。オーガニックコスメが生まれた背景を見ていきましょう。
一般的な化粧品の多くには石油由来の成分が配合されています。石油からつくられた化粧品が普及し始めたのは、20世紀になってアメリカで油田が発掘されてからのことです。1920~1930年にかけてアメリカのハリウッドで映画用に石油を原料とするメイク用品がつくられるようになったことが始まりと言われています。
石油を原料とした化粧品は、安価で保存期間が長く安定した品質のものであったため、大量生産が可能となったことが普及を後押しする大きな要因だったのです。ところが、石油を原料とした製品は次第に多くの環境問題を引き起こすことがわかってきました。化学物質でできたコスメを使い続けると、人によっては肌の赤みや腫れなどのトラブルが起きることが広く認知されるにつれて、昔ながらの自然派化粧品が見直される動きが出てきたのです。
オーガニックコスメは世界の伝統的な自然療法を取り入れた安全性の高い自然由来の成分を使った化粧品のことです。しかし、安全性を追求するユーザーは化粧品が自然由来の成分からつくられたことだけでなく、その植物がオーガニック栽培されたものであることを求めるようになりました。とりわけ、世界のなかでもいち早く環境問題が始まったドイツでは、こうした動きも数多く生まれました。次第に原料は石油から、オーガニック栽培されたハーブへと変わっていったのです。
オーガニックコスメブランドには、動物実験をしないことをモットーとしているところも多くあります。またパッケージや使用後の容器のリサイクルに取り組んでいるところも少なくありません。オーガニックコスメのメーカーはビジネスで経済活動をするだけでなく、社会貢献に取り組んでいるところも多いので、オーガニックコスメを選ぶことは間接的に社会貢献にもつながるといえるでしょう。