角栓の正体は、古い角質や未成熟な角質細胞と皮脂が毛穴に詰まってできるものです。皮脂は皮膚から水分が蒸発するのを防いで保湿する役割があります。それと同時に、皮膚に存在する常在菌のエサとなって分解され、それによって生じる脂肪酸が皮膚の表面を弱酸性に保つ役割を担っています。
一方で角質は、皮膚のターンオーバーによって生まれるものです。皮膚のターンオーバーが正常な場合は、角質や皮脂が毛穴に詰まって角栓ができたとしても、ターンオーバーとともに自然にはがれ落ちます。しかし、なんらかの原因でターンオーバーが乱れると角栓がはがれにくくなり、毛穴にとどまった角栓が目立つようになってしまいます。
角栓がはがれにくくなる理由のひとつが、肌の表面に残ったメイク汚れです。自然な皮脂や角質の上にメイクが汚れとなってフタをしている状態になり、皮脂をエサとするニキビ菌などが繁殖します。ニキビ菌の繁殖は肌に炎症を起こす原因にもなりますし、皮脂が酸化すると黒ずむため毛穴の黒ずみの原因にもなりますので注意が必要です。
また、角栓を無理やりはがすなどの間違ったケア方法も、角栓を目立たせる原因になります。角栓を無理にはがすと、肌は皮脂が足りないと勘違いして新しい角質や皮脂をもっと多く作ろうとします。すると、さらに未成熟な角栓が生み出されてしまいます。
皮脂の分泌量が増加して角化が進むのは、男性ホルモンの分泌が盛んになることにも原因がある場合があります。男性ホルモンの分泌は卵胞ホルモンの分泌と大きくかかわっており、ダイエットやストレスなどで卵胞ホルモンが減少すると男性ホルモンが多くなる仕組みです。また、女性ホルモンのなかでも黄体ホルモンは皮脂の分泌を高める作用があります。特に排卵後から月経までは増加する傾向にあるため、この時期に毛穴詰まりやニキビに悩まされる人が多くなります。