乾燥肌になる原因はひとつだけでなく、さまざまな要因がまじり合っていることがほとんどです。
基本的な原因としてあげられるのは、皮脂分泌量の低下や細胞間脂質、天然保湿因子などの減少によって肌のバリア機能が低下し、肌内部の水分量が減少することです。通常なら肌の角質内の水分量は約20~30%ほどですが、冬場など空気の乾燥する季節になると角質中の水分量が20%以下になり、乾燥肌の症状があらわれます。空気中の湿度が50%を下回ると注意が必要です。
外出時はなるべくマスクを着用し、エアコンやストーブなどで空気が乾燥した室内は、加湿器などを使って保湿しておきましょう。空気の乾燥だけでなく、生活習慣の乱れによってもバリア機能の低下が起こります。栄養バランスのとれた食生活と十分な睡眠、ストレスをなくすことを心がけましょう。
つぎに注意したいのは、間違ったスキンケアによって起こる肌の乾燥です。必要以上に強い洗浄力のクレンジング剤や洗顔料を使うことは、肌を傷めて乾燥肌を引き起こす原因になります。肌の乾燥を感じているときは保湿効果の高いマイルドな製品を選ぶようにしましょう。
一日に何度もクレンジングと洗顔を行うのも間違いです。また、入浴やシャワー時のお湯の温度にも気をつけましょう。熱いお湯に長時間つかっていると、肌に必要な皮脂まで流れ出てしまいます。お湯の温度は38~40度あたりが適温です。湯船につかる時間は15分程度にとどめましょう。
シートパックやマスクなどをするときに、乾燥するまで肌の上にのせておくのも間違ったケア方法のひとつです。保湿成分を浸透させるために長時間のせておいても、肌に浸透する水分量は決まっており、長くのせたからといって効果が高くなるわけではありません。かえって肌細胞がふくらみ、キメが乱れることによって水分が蒸発しやすくなってしまいます。また、シートやマスクの水分が蒸発する際、肌の水分まで奪っていくおそれもあります。正しいケア時間を守ることが大切です。
紫外線のダメージも、肌に深刻な乾燥をもたらします。紫外線にあたると肌のバリア機能が低下し、ターンオーバーが乱れます。ターンオーバーが乱れることで乾燥肌が引き起こされるのです。紫外線は一年中降りそそいでいるため、真夏だけでなく毎日ケアをすることが予防につながります。また、水分が不足すると血行不良が起こり、身体への栄養補給がうまくできません。すると、ターンオーバーが乱れて水分が蒸発することで乾燥肌を引き起こします。水分をとればとるほど肌の水分量が上がるわけではありませんが、水分不足も、乾燥肌の原因のひとつです。
乾燥肌はさまざまな肌トラブルの引き金となるため、そのまま放置しておくと肌はどんどん老化してしまいます。肌の状態を最良に保つためには、適切な乾燥肌対策を理解したうえで実行することが大切です。肌は日々ストレスにさらされています。肌をいたわり、失われがちな肌の潤いをしっかり守りましょう。