メイク落としのタイミングを考えるうえで知っておきたい、いくつかのポイントを解説します。1つは、メイク落としは毛穴が開いたときに行うのが有効だということです。入浴前や入浴してすぐのタイミングでは十分に毛穴が開いていないため、メイクが残りやすくなります。もう1つは、メイク落としや洗顔の後は顔から水分が蒸発しやすくなっているということです。スキンケアまでの時間をできるだけ短くすることが肌の乾燥対策には有効だといえるでしょう。
これらのことをふまえると、メイク落としのベストタイミングはお風呂から上がる直前です。湯船で体を温めると毛穴が開き、汗と一緒に汚れや余分な皮脂を排出することができます。肌がゆるんだ状態になっているので、毛穴の奥のほうにある汚れまで取り除くことができるのです。お風呂上がりのタイミングでメイク落としをすれば、すぐに保湿することもできます。スキンケアの中で最も重要なステップであるメイク落としと洗顔がしっかりできていると、その後の化粧水や美容液の成分を肌の奥まで届けることができるのです。ただし、この方法は手がぬれていても使えるクレンジングを使う必要があるため、万人向けの方法ではないかもしれません。水にぬれると使えないクレンジングは水が直接かからなくても蒸気にも反応してしまいます。メイクとなじませる前に乳化してしまうと、メイクが落ちなくなってしまうからです。お風呂上がりにクレンジングするときは、使っているクレンジングのタイプを確認しておきましょう。
クレンジングは短い時間で行うのが理想です。長すぎると角質まではがしてしまったり、摩擦でシミやシワの原因となってしまったりすることもあります。一方、十分にメイク汚れが落ちていない状態でスキンケアをしても肌トラブルが起きてしまうことも考えられます。一番素早くメイクを落とすことのできるメイク落としは、オイルクレンジングです。メイク汚れだけでなく古くなった角質もすっきり落とすことができるので、混合肌や普通肌の人に向いています。クレンジング時間は大体1分以内と考えておくとよいでしょう。
ジェルタイプのクレンジングは、しっかりメイクの人もナチュラルメイクの人も満足できるメイク落としです。オイルクレンジングと比べると肌への負担が少なく、ミルクタイプやクリームタイプのクレンジングよりもさっとメイク汚れとなじみます。ジェルタイプも1分程度で洗い流すのが理想です。
ミルクタイプのクレンジングは、乾燥肌や敏感肌の人でも使いやすいのがメリットです。ただし、その分メイク落としの即効性という点ではオイルやジェルには見劣りします。ミルクタイプは2分以内で洗い流すようにするとよいでしょう。マッサージ効果も得られるクレンジングは、クリームタイプのものです。4種類の中では最もメイクとなじみにくいクレンジングといえます。ただし、クリームタイプは保湿効果が高いため、ほかのクレンジングよりもメイク落としに時間がかかってもかまいません。2分半程度で洗い流すようにすると、メイクを落としつつマッサージ効果も期待できます。