女性に多い乾燥性の脂性肌は、皮脂を取りすぎないことがケアのポイントです。乾燥性脂性肌は、保湿不足が主な原因です。肌の水分が不足してしまうと、肌自身が皮脂を分泌させて肌を守ろうと働きます。そのため、肌のうるおいが不足するほどに皮脂の分泌量も増えてしまうのです。乾燥性脂性肌の場合、皮脂を取りすぎることに力を入れるのではなく、必要以上に肌の水分を奪わないようにすることが大切です。そこで、洗浄力の強すぎる洗顔料を使用することや、何度も洗顔するようなケアは控えたほうがいいでしょう。
乾燥性脂性肌の人は皮脂の分泌量が多いため、毛穴の汚れや詰まりが気になるでしょう。そこで、洗顔前の蒸しタオルで毛穴を開いて肌の汚れを落としやすくします。洗顔料も洗浄力の強いタイプを使うのは避け、マイルドな洗浄力のものを選ぶようにしましょう。また、洗顔時に肌をゴシゴシとこすってしまうと肌がダメージを受けて、肌を乾燥させる原因を作ります。肌と手が直接触れないくらいのたっぷりの泡を作ってから、洗顔しましょう。
洗顔後は、洗顔料が肌に残らないように十分すすぎを行います。ただし、すすぎをするときのお湯の温度には要注意です。温度が高いと毛穴が開いて肌の水分を流出させてしまいますので、体温よりも少し低めの温度ですすぐといいでしょう。
洗顔の回数も多すぎてはいけません。1日に3回以上洗顔すると皮脂の分泌が過剰になってしまうといわれています。だからといって、少なすぎるのもよくありません。1日あたりの洗顔回数は2回が適当です。皮脂を落としすぎないことも大切ですが、皮脂が残っていると酸化してしまうからです。それが、肌のくすみや毛穴の黒ずみ、ニキビなどのトラブルにつながってしまいます。
皮脂の酸化は6時間後に始まるとされているので、1日2回、12時間間隔で洗顔するのが適しています。特に入浴中は毛穴が開いていますので、肌の汚れを落としやすいでしょう。そして、脂性肌だからこそ保湿ケアは重要です。皮脂の分泌量が多いと化粧水や乳液のケアを省く人も少なくありません。しかし、乾燥性脂性肌は水分が不足しているため皮脂分泌が過剰となっています。特に化粧水による水分補給は重要ですので、しっかりと保湿ケアを行いましょう。
肌表面は皮脂でうるおっているのに、肌の内部は乾燥しているインナードライ肌に悩む人も多いでしょう。インナードライ肌は、肌表面は脂っぽいのにキメが粗く毛穴が開いているのが特徴です。インナードライ肌になるのは、生活習慣の乱れやストレスといった内側からの要因と、誤ったスキンケアや紫外線、冷暖房のダメージなどの外的要因が関係しています。それらの要因が角質層にダメージを与えて、肌のバリア機能が低下してしまうのです。バリア機能が低下することでターンオーバーが乱れ、肌が乾燥するなど肌のトラブルも起こりやすくなります。
そこで、インナードライ肌はバリア機能の回復を助けるケアが重要です。バリア機能を保つのに重要な役割を果たすのは水分ですから、保湿ケアを重点的に行うことです。そして、肌のうるおいを落としすぎないように注意しましょう。洗顔時も余分な皮脂だけを落とせるような洗浄力の優しい洗顔料を使い、たっぷりの泡で肌へのダメージを抑えながら洗うようにします。また、インナードライ肌の場合、角質層がはがれて水分が蒸発しやすくなっており、水分をキープするために角質層が厚く硬くなります。その状態で肌に水分を与えても給水しづらく、肌に十分な水分を届けられなくなるのです。そこで、ブースターオイルを取り入れてみましょう。ブースターオイルを最初につけると、肌に適度なうるおいを与えて硬くなった角質を柔らかくしてくれます。さらには、その後使用する化粧水や美容液の浸透を助けてくれるでしょう。
脂性肌と一口に言ってもその原因はいくつもあり、複数の原因が重なり合って起こることもあります。そこで、肌を健やかに保つためには、自分の肌質を正確に把握することが大切です。そして、肌質に適したケアを取り入れることが重要となります。それぞれの原因に合った洗顔方法やケアを選び、皮脂の過剰分泌を抑えていきましょう。